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le stage de misa fujisawa

stage vitrail de misa Fujisawa

P1160177

 

生徒さんのスタージュ体験記その3(最終)です。
Fさんありがとうございました!!!
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★最後に

今まで教わった事と今回のアトリエでは、絵付け、ガラスカット、モンタージュ、
パテ方法等至る所に少しずつ違いがあったのが凄く新鮮でした。
人物の顔・肌表現の部分で大本の線描き以外はグリザイユのton chairを水で溶いて
putoisの筆で剥いだりして、数度焼きを入れて徐々にトーンを変えていく方法を採り、
こんな手法もあるんだ!と私としては新しい発見でした。

それとLa Bastide d’Engras教会窓の作業が終わってからは
好きな事をしていいよと言われたので、Lyrac教会窓の
修復(クリーニング、鉛線の組み直し、はんだ、パテ、磨き)、
それから個人的な制作として聖母子像のミニチュア簡易ver.ステンドや
フュージング、ティファニーの鏡等々を作らせてもらいました。

フュージングは実際に自分がやるまではあまり気が乗らないと言うか
少し幼稚で趣味範囲のものと思っていましたが表現次第で幅が広く、
実際に体験してみてイメージが変わりました。
例えば、私は植物を題材にしたのですが、葉っぱ部分の表現で、
緑色のガラス裏から(←裏からがポイント!)グリザイユ黒でダマの要領で
葉脈を描き焼き付ける。
花びらを立体的に表現したい時にはガラスを形が 残る程度に粉々に
砕きそれを花びら部分に盛る。
等々、言葉ではなかなか表現するのが難しいですが、様々な技法があり、
今後もっと深い部分が知りたいと思いました。

それからLa Bastide d’Engrasの教会はステンドの他にも内装がかなり傷んでおり、
全体に修復作業が施されている最中で、壁画を描いている方達と触れ合えたり、
教会ステンド修復に一番興味を持っている私にとっては実際の修復現場が
見れる事だけですらとても新鮮でした。
それに足場にのぼる事が出来たのも最高の経験でした。
要修復のステンド窓からステンドを取り外す為に周囲の壁を金槌等で打って砕いたり、
サッシを填めたり、修復ステンドを設置しに行ったり。
他、状態は良好だけど少しだけ割れガラスがあるステンド窓には、
ティファニー用のような接着部分のある鉛線を使って教会窓に対して
直にはんだ付けをしたり、実際の現場での対処法と言うか
仕事を体験することができました。

★これからの夢

私は16歳の時からフランスの教会ステンドに興味を持ち、高校卒業前から
松田先生のアトリエに留学したいと思い、大学卒業後も想いは変わらず
その後留学資金を貯め、本当なら2009年に勉強しに行く予定でしたが
定員オーバーでNGだったので、昨年念願叶いお世話になることが出来ました。
今後の展望、私の今一番の理想はフランスのアトリエで雇ってもらう事です。
私はクリエーションもそうですが、フランスでの教会ステンドの修復に非常に
興味を持っているのでフランス国内での仕事を希望しています。
それに今までは先生のアトリエで組み立てまでの工程を勉強させて頂きましたが、
今回のアトリエで修復作業を経験し、実際問題、鉄工所との連携・トラックや足場の
手配・必要機械の装備等々、 業者に頼めば問題ないのかもしれませんが、
今の私一人じゃ到底無理で、既存のアトリエで且つフランスでと思っています。

ただ実際にナンシーの学校でステンドを教えていた先生と知り合い
お話を聞く機会があったのですが、その方はあまりにも生徒のステンド関係の
就職先がなさすぎて、心痛し先生を辞めてしまったとの事でした。
その後は隠居的な形で南仏でアトリエを開き、ステンド教室をしたり、
趣味の範囲での活動をしているとの事で。。。
日本人の私がフランス国内でステンドの仕事を探すのは本当に難しいとは
思いますが、何とか実現させたいと思っています!

 

生徒さんのスタージュ体験記-その2

6月 13th, 2011 by 

生徒さんのスタージュ体験記その2です。
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★2つ目の作業-聖母子像のステンド。(制作期間:約二ヶ月)

こちらのステンドは修復と言うよりは99%クリエーションでした。
先に記したデザイン次第での制作で、一番外側のボーダー部分は
数枚現物が残っていたのでそのイミテーションでしたが、
それ以外は基本的には全て任せてもらえました。
一応の手のひらサイズのデザイン案と言うか配置案はもらいましたが、
「好きにデザイン変えてね。じゃ、どうぞ!」
と言う感じで原寸大の画用紙を部屋の壁に貼ってもらい。。。
ビザの残り2ヶ月と言う短期間の中、唐草窓の修復と聖母子像丸窓…
絶対に間に合うはずない!!!
っと初期から思っていたので、デッサン開始の1月中旬からは19時までは唐草窓。
それ以降は23時まで聖母子像デッサンと言うスタイルで日々向かいました。

 

日々試行錯誤を重ね、最終的にはアトリエ主さんやアソシエーションの方々、
教会の建築家さん、La Bastide d’Engrasの市長さんに見せに行き、
無事ステンドに起こすことになりました。
そこからは急ピッチ!即ガラスカットを完了して、線描き&影付けは特に慎重に…
でも何せ帰国まで時間がなさすぎて、どうしようもない状態に陥りました。

☆…そこで
アトリエ主さんとお互いの意見を交わし、この時間のない中での理想と現実、
今出来る事・出来ない事、不可能ならそれを可能にする新しい技法、等々
試行錯誤を繰り返しました。
「え~っ?」と言うような方法で影付け提案をされて萎えたりもしましたが、
アトリエ主さんの「芸術家なんてこう言うものでしょ?決まりってある??」
と言う言葉や、その他色々な方の目線・意見を受けて、徐々に寛容になっていくと言うか、
見方考え方が少し変わっていく自分が居ました。
勿論基本を忠実に、を前提とした範囲での事ですが。。

結局最終的には、2月末終了では満足の行く作品に仕上げられるはずもなく。。。
「やっつけ仕事にしたくないし、それだったらまたフランスに戻って制作続けたい!」
と思い、それをアトリエ主さんに告げました。

話し合いの結果、結局一度日本に帰国し、再度4月から再渡仏、
続きの制作を続けることになりました。

~フランス再入国から~
具体的にやり残していた部分は、
1.洋服部分のガラス裏からのアレンジ
2.人物の手・足・顔等の最終段階
3.背景部分のガラスカット、裏面デポリ載せ
4.背景下部のダマセ
5.聖母子像の周囲のボーダー部分

 

以上について色々な工程がありましたが、最終的には全てを終え、
4月12日に私の教会ファーストステンドを設置してきました。
3人で設置の予定でしたが、長期スタージュの方も期間を終えてしまって
不在だったので、実際アトリエ主さんと二人だけで足場に上ったり、
重たいステンドを1:1(上:下)で二人で引き上げたり、
高所恐怖症の私にとっては冷や汗が止まらなかったけど、
「将来自分でアトリエ持ったら、こんなん自分でしなくちゃいけない作業だしねぇ。」
と冗談交じりで前々日に言われたので、負けず嫌い精神から死ぬ気で足場と闘いました!

 

生徒さんのスタージュ体験記-その1

6月 13th, 2011 by 

昨年ステンドグラス長期プログラムの9か月コースを受講された
生徒さんが、プログラム終了後、フランス南部のステンドグラス工房にて
スタージュ(アトリエの仕事を手伝いながら学ぶ、という意味です。見習い
のような感じです。)を体験されました。
何やら教会の大きな窓をデザインからまかせてもらえたそうで、
充実したスタージュだったようで、本当によかったです。
そこで体験記をお願いしましたので、3回に分けてUPいたします。
以下生徒さん(Fさん・女性・27歳)による記事と画像です。

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アトリエマツダでの授業を昨年12月末で終え、その後ビザの滞在期間が
2ヶ月間残っていたのと、現地で研修がしたいと言う希望から、
アヴィニヨン近郊のアトリエでエシャンジュと言う形でお世話になることになりました。

<スタージュ期間>
2010.12末~2011.2末,(~一時帰国~)2011.3末~2011.4末≒計3ヶ月間
<お世話になったアトリエ>
アトリエ名:ATELIER TOUCOULEUR
(Nime, Avignon, Uzes近郊の穏やかな南仏の村です)

そのアトリエでは当時2箇所(La Bastide d’Engras, Lyrac)の教会修復を
手がけていて、その他日常的に短期・長期スタージュを受け入れていました。
それだけでなく、Uzesにステンドグラスのアソシエーションがあり、
そこの方々とタイアップして個人創作活動・expo開催・公共施設へのステンド制作、
学校・老人ホーム・福祉施設の方を対象としての活動等々、週末以外は
フル稼働でした。
アトリエで働いているのは正式にはアトリエ主さん一人でしたが、
アソシエーション(約15人在籍)の方だったり、私の滞在中には
5ヶ月間研修に来ている方が居て、1人では厳しい教会での修復作業
(高い足場に登ったり要修復のステンド窓からパネルを外したり、
組み立て後の再設置作業など)は協力して行える環境がありました。
そしてその中での私のメイン担当は教会ステンドの修復でした。
1つは唐草模様パネルの修復。
もう一方は丸窓(直径≒1400mm)への聖母子像のデッサンからの制作でした。
さすがにデッサンから任せてもらえるとは思わなかったので「えっ?」とびっくりしていたら、
「無理なら知り合いの美大生に頼もうかと考えてたけど…どうする?」と言われ、
「私、やります!!!」と即決しました。勿論デッサンの出来次第でと言う事だったので、
とりえあず出来るだけの事はやってみよう!と、取り掛かることになりました。

★1つ目の作業-唐草模様のステンド。(制作期間:約一ヶ月)

 

こちらは2つのステンド窓の中の10枚のパネル(1窓/各5パネル)のうち
2パネルが完全修復が必要な状態だったので、その部分をガラスカットから絵付け、
モンタージュまで行いました。
デザイン自体はそこまで複雑ではなくて、アトリエマツダで教えて頂いた
技法の応用と言う感じでしたが、唯一困難だったのがオリジナルは明らかに
淡いグリーンのガラスを使っているのに、アトリエ主さんの指示で
透明ガラスを使うことになったので、絵付け以外にも裏面から
グリーン・イエロー・デポリを混ぜたグリザイユをかけたり、
電気炉だったのでなかなか作業が進まなかったりで、工程が結構多く
時間がかかりましたが、満足のいく修復ができました。

 

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